ソウル 紀猫一匹旅(11)

夕方、チェックアウトしたゲストハウスに預けた荷物をP/Uに行くと、
オーナーがちょうど電話中で、眉間にシワを寄せておられました。
 
会話の内容から、日本語でゲストハウスの場所を説明していたので、
たぶん宿泊予定客が細い道に入るところがわからないんだろうなあ、と察しました。
 
待っていてもなかなか電話が終わらないので、
「だいじょうぶ。私が、駅に、迎えに、行きます。」と申し出ました。
 
ゲストハウスは明洞駅1番出口を出て徒歩2分。すぐなんだけどな~と思いながらお迎えに行くと、
キョロキョロしながら待ってる女性が。
 
わあ、大きなスーツケース!こんな特大スーツケースあるんや。
これじゃ、ちょっと宿を探して動けないよね。徒歩2分の距離でタクシー乗るのも変だし。
 
ゲストハウスに戻って、よし、じゃあ、行くか、と荷物を担ごうとすると、
その女の人が「ゲストハウスの人じゃなかったんですか?」と驚いてました。
わたしは、あなたのスーツケースの方が、驚きなのですが、と言いたくなる衝動をなんとか抑えました。
 
オーナーが「ちょと、待って。待ててー。」と言いながら、女性を部屋の案内に連れて行き、
待ってると、今度はアボジを連れて戻ってきました。
 
「トモダチ。わたしの、ともだち。今日、ソウル遊び、きてる。」
ソウル遊び、かあ。ソウル「に」遊び「に」が抜けると、おもしろい言葉になるねんなあ。
 
つい、その言葉を気に入って、そのお友だちの方に、「わたしも、ソウル遊び、してます。」とご挨拶すると、
「はじめまして。××と申します。ソウル遊び、とても楽しいですね。クセになりますよ。」と、
流暢な日本語が返ってきました。だははは!2人で爆笑。
 
オーナーが食べる動作をしながら「プルコギ、プルコギ、時間ある?」と聞いてきたので、「ネエ」と答えると、
「いっしょに、プルコギ、OK。」という運びになり、またちょっと待ってることになりました。
 
しばらくすると、出前の兄ちゃんが片手にフライパン、もう片手にカセットコンロを持って現れ、
再度、両手にキムチが山盛り入ったボウルを持って現れ、
次に肉皿と野菜皿を持って現れました。これで出前に3往復。
もう来ないと思ってたら、ラストにビール瓶とグラスを持って、また来たでぇ!
 
思いがけない御馳走に、目をパチクリさせていたら、
オーナーが焼けた肉をじゃんじゃん私のお皿に放り込んでくださいました。
お腹いっぱい。
 
××さんがだいたい通訳してくださるので、ついつい話し込んでいたら、もう9時近くになってました。
荷物を取りに来たときは、まだ5時台だったのに。
 
深く謝辞をのべて、そろそろ、、、と引き揚げようとしたとき、今度はオーナーの息子さんがやって来ました。
「日本、帰る?」「はい。これから、仁川空港に。」
「リムジンンバス、すぐそこ、便利。」「時間、あります。電車に、します。」
「飛行機、いつ?」「明日、朝、9時。」
「え!?仁川空港、何する?」「朝まで、います。」
「クレイジー、ですか。」
 
今から仁川空港に行ってどうする気か?と聞かれて、
荷物カート集めします、とか答えてるわけでもないのに、わたし、クレイジーですか?
 
息子さんがノートPCを取り出して、日韓翻訳サイトでパタパタとキーボードを打ち始めました。
パタパタパタ、、、、パタッパタ、、、
 
→翻訳文「仁川空港には、宿泊施設のような場所があります。INCHON SPAには、サウナと簡易リラクゼーション設備があり、利用料金はここの宿泊料より安いです。別途追加料金で、簡易宿泊も可能ですが、予約が必要です。これからすぐに予約したほうがよいでしょうか。」
 
またまたご親切に、カムサハムニダ
せっかくなんですが、2泊目はどうしようかな?と考えたとき、友人マインさんが、
「仁川空港、めっちゃいいわあ。あそこに泊まってもいいわあ。」と言っていたのを思い出して、
じゃ、泊まってみた感想をお土産話にしよう、と決めていたのでした。
 
パタパタパタタタ、、、
→翻訳文「そこに行ってみてください。とにかく、そのほうが安心ですから。」
 
紀猫は、それより、とにかく、韓国のキーボードが物珍しくて、興味深々になってしまいました。
キーの文字が、当たり前ですが、アルファベットとハングルで、
日本だと平仮名になっているところが、ハングル文字のパーツになっています。
その組み合わせでハングルが打てるようになっているのですね。
 
パタタッタパッタパパタ、、、画面にハングル文字が打たれていくのが、おもしろーい!と思ったのです。
アラビア語圏で、アラビア語を書いている人を見て感動したのに、なんか似てます。
相手はクレイジーなのを心配してくださっているというのに、、、すみませんっ!