『紀猫おばにゃんとガチャ猫』物語 黒カラス軍団 vs2代目料理長チャトラ猫チャペル

2016年5月、英語を教えるようになって3年目の春は慌しく過ぎてゴールデンウィークの時節になりました。はぁ、ぼんやりしよう、ひたすらボヤット計画しかないでしょ。もう何もしない、それって最高、のはずでした。いつもながら予定通りにいかないなあ、ぶつぶつ(村上春樹様へ敬意を込めて)。

 

間もなくゴールデンウィークが近づく直前週の週末、物凄い勢いで茶トラ猫チャペルが(猫らしく天然の瞬足シューズで)リビングに駆け込んできました。リビングは外庭に面していて、窓が開いていれば猫たちは自由に出入りできるようになっています。

 

チャペル猫は鼻息荒く、目を逆三角にして総毛立ちになっていました。どしたの?と尋ねた直後に外で(まるで世界の終わりから不吉なアジェンダを告げに来たかのような)鳥の鳴き声がしました。グガァーー!!もしや、その鳴き声は?

 

窓辺に近寄ると(漆黒100%の暗闇をたたえる井戸に100年もの歳月を生き抜いた鳥を具現化したかのような)黒いカラスが庭のフェンス柵の上からこちらに睨みをきかせていました。ちょ、ちょっと!カラス相手に何かしたの?!

 

グガァーガァーー、グガー!!(オイ、茶トラ、出てこい!と言わんばかりの)挑発的な鳴き声に、アホ茶トラも負けじと尻尾を膨らませていました。もう、やめにゃさい!阿呆チャペル猫のアタマを小突くと今度は紀猫に向かってシャー!と(猫なのに何故か)犬歯を剥き出しました。威嚇するじゃありませんチャペちゃん、ペ!!

 

私が懸命に(ぺ!ぺ!して)止めるのも聞かずに再び庭に出陣していったアホ茶トラとカラスの睨み合いが始まりました。やめときにゃさいって。窓を開けて身を乗り出す紀猫にも(猫とカラスの喧嘩に口出しすんじゃねぇ、猫ババア!と言わんばかりに)両羽をバッサバッサ広げました。威嚇するんじゃありませんクロちゃん、ぺ!

 

まったくやれやれ(村上春樹様へ敬意を込めて)。アホども、好きにやってください。喧嘩の原因が何なのか知らないけど、さすがにカラス相手はマズい気がします。職場の同僚の先輩がカラスにやられた話を思い出しました。

 

その方は朝ゴミ出しに行った時に生ゴミを漁っているカラスを追い払ったら、直後に後ろから襲われて頭を突かれそうになったそうです。幸いクチバシがかすった程度で怪我はなかったものの、10分後に家から仕事に出かけようと玄関ドアを開けると、さっき捨てたはずのゴミ袋がズタズタになって(あるいは象徴的な悪意として)中身が撒かれていたって、コワッ。

 

カラス殿を敵にまわしてはいけません!すぐさまアホ茶トラ猫チャペルに(ありったけの猫眼力を行使して)負けるが勝ちにゃんよと説教しました。かつて(工事現場で遊走を繰りひろげた挙句にショベルカーに登ろうとして滑車したところを心優しい作業員に)保護してもらった命が惜しかったらカラス殿と関わるんじゃありません!!

 

忠告するも虚しくゴールデンウィーク中もアホウ茶は売られた喧嘩を買いまくり、朝からカラス殿が呼び出す鳴き声が盛大に響きました。グガァグググァーグガ!!グァー!!

 

(今すぐ誰も食わねぇ猫ウィンナーにしてバーベキューで炭になるまで焼いてやるから出て来い!!賞味期限切れの猫ババアは引っ込んでろ!!にしか聞こえない鳴き声に)窓から外を見るとカラス殿の仲間が登場、フェンス柵には2羽のカラス殿々が。どうしましょう、目が合ってしまった、、、今更ですがアホ猫の主だと認識されているのをどうか撤回していただけないでしょうか。

 

毎日のように繰り広げられるアホ合戦にカラス殿の仲間が続々と参戦するようになりました。一匹(狼に猫の着ぐるみを着た)猫で立ち向かうアホウ茶トラ vs. 庭の上空を旋回するカラス軍、多勢に無勢なのにもかかわらずアホ猫は果敢に応戦していました。黒カラス軍団の襲来にビビる爺猫キジトラ猫と一緒に窓際で観戦する紀猫はこの戦いの目的がいまいちわからないんだけどなぁ、縄張り意識のせいなのかにゃぁ。

 

どんなに世界を敵にまわしても紀猫(継母にゃん)だけは味方ニャ(という立場がだんだん苦しくなってきた、近所迷惑になってきたけど)可愛い我が猫を守り抜こうと決意した頃、とうとう決着を見納めました。アホ猫がフェンスに駆け上った次の瞬間、フェンス柵上にいた1羽のカラス殿に猫パンチをお見舞いしました。慌てて飛び立つカラス軍団のうち、また一瞬逃げ遅れた1羽に向かってジャンプ!これはもしかして、、、

 

飛ぶ猫!!茶トラ猫チャペルが飛んだ〜!!

 

岩合さんの写真集で見たことのある美しい猫の姿でした。まさか我が猫が生飛びするとは、それを目撃するとは継母にゃんは感動ですニャ😹

 

ところで『大造じいさんとガン』のハヤブサ vs. 残雪はどんなんだっけ?懐しい物語が脳裏に浮かびました。残雪は威厳がありましたね。(アホ猫には跳躍力がありましたよ。┐(´д`)┌ヤレヤレ村上春樹様へ敬意を込めて)

 

【紀猫デリNORINECOまとめ】

『紀猫おばにゃんとガチャ猫』の物語後記。チャトラ柄の瞬足シューズ、あったら欲しいにゃ。うちのアホ茶トラ猫に履かせてあげたいです。俊足のはずが鈍足になって、ちょっとは大人しくなるんじゃないかな。我ながらいい考えだ、ぶつぶつ。(村上春樹様へ敬意を込めて)ムラカミィッシュ紀猫おばにゃんでした。