絵画の煌めきとダイヤモンドの燦めきを心に呼び込もう(前編)

2015年11月、できる限りの気分転換を図りつつ深く考え込まないように努め、外出の機会をなるべく増やして気を紛らわしていました。凡事徹底をモットーに淡々と目の前のことをこなしていました。心を休めたくて美術館にフラフラと出かけることも多くなっていました。

 

モスクワではKパンの観光プランに基本お任せでボワーっとしていましたが、例によって美術館に行きたいスイッチが入ってしまい、Kパンに1日別行動をお願いしました。予定では観光市場に行くことになっていて、いかにもロシア土産のマトリョーシカ人形の陳列を見てみるのもよかったんですが。紀猫の絵画鑑賞欲求はおそらくムラッとくる性欲に似ていて、紀猫はそっち方面で欠如しているぶんの代替欲が絵画にムラッと発生するのです、多分ですが。

 

午前中はトレチャコフ美術館 へ。本館に溢れるロシア美術作品の数々、全部見るのに2時間半かかりました。さらに新館を回り終わる頃にはお昼を過ぎていました。スーパーで買ったサンドイッチを片手に次はプーシキン美術館ヨーロッパコレクション部へ移動しました。お目当てのルノワール作品『ジャンヌ・サマリー』を至近距離で見つめて多幸感に浸りました。そうそう東京・三菱一号館美術館ルノワール展で人生2度目の「美術作品に泣く」体験をしたのです。『ジヴェルニーの庭』に泣かされ、以来ルノワール作品の虜に。(次に狙うはオルセー美術館!)

 

夕刻がせまる頃、モスクワ現代美術館に向かいました。1日中ほぼ休みなく歩き回ってモスクワ3大美術館を見学終了。もう腰がヨタって真っ直ぐ歩けなくなる寸前でしたが絵画の煌めきにより心は随分と満たされました。(次に狙うはロシア最大級エルミタージュ美術館!)

 

【紀猫デリNORINECOまとめ】

マトリョーシカ集団を見そびれた代わりに、世田谷・豪徳寺で招き猫集団を見てきました。ついでに世田谷美術館にも行きました。それなのにまだムラッとします。いずれはオルセーとエルミタージュに。欲張って両方に行けるほど腰がもつとは思えない、、、

こんにちはキジトラ猫チャペルちゃん

2015年10月、里親になって保護猫団体から譲り受けたチャトラ仔猫♂が紀猫デリカテッセン2代目料理長に就任しました。ミイル兄貴を凌ぐヤンチャぶりでうちでは初めてのカーテン登りをする猫様、新参猫のくせに生意気にも先住のキジトラ爺猫にいきなり飛びかかって仔猫パンチをあびせました。

 

紀猫はちょうど精神的にダウンしていたところだったので、有り余るほど元気な仔猫に出会えて幸運が舞い込んできたようでした。無邪気なチャペルちゃん、無邪気って罪ね、癒やしもするけど傷つけもする両刃のイノセント。紀猫も仔猫パンチ連打をくらって引っかき傷を被るも、にゃー可愛いのねんと格好をくずしていました。

 

モスクワで出会った猫様は美猫でした。モフモフ系の白猫ベースにロシアンブルー混じりの毛色でオメメがブルー。まさか野良猫じゃないよね?優雅に歩く姿が気高くて近寄りがたかったけど、近寄って許可なく抱き抱えたら迷惑がられました。美しいロシアン白猫ちゃん、美猫って損ね、惹きつけもするけど、遠ざけもする氷冷のビューティー。美しい猫には3日で嫌われそうだけど、こちらも美猫には3日で飽きるのか?(飽きないと思う。)

 

ところで紀猫デリを初回からご利用いただいてるお客様には必要のない説明ですが、紀猫デリには以前エスニック料理コーナーがありました。料理をすると猫たちが余計な手伝い、つまり邪魔をするのに敬意をはらって、当時年長だった白猫チロルを「料理長」に任命したのです。

 

2代目料理長、チャトラ猫チャペルは野生本能旺盛でハンター能力が抜群、うちでは初めてのネズミ捕りをする猫様でした。気ままにフラッと外出してはセッセとネズミをくわえて帰ってきました。狩猟成果はネズミのみならず、コウモリ、ヘビ、スズメ、ハト、、、次第に狩りの腕を上げていきました。紀猫デリ、料理長が勝手にジビエ料理はじめました。やめてー!!

 

紀猫がロシア料理で再現してみたのはボルシチです。本場ボルシチはとてもキレイな赤紫色のスープでした。サワークリームが溶けると絶妙に酸味が増すのに味全体はコクがまろやかになるのが不思議でした。さすが世界3大スープですニャ。トムヤンクンと同じくらい好きになりました😋

 

そういうわけで家でも再現してみたのですが、輸入食材店で手に入る「ボルシチの素」ではキレイな赤紫色にはならず、茶色がかった残念な色になってしまいました。味も残念、ちょっと違うにゃー。高級スーパーでビーツ(赤かぶ)と、わざわざサワークリームも買って作ってみました。色は近づいたものの、やっぱり味がちょっと違うんにゃー。

 

【紀猫デリNORINECOまとめ】

独断と偏見ですがネコはガチャ猫に限ります(ΦωΦ)。特にうちのガチャガチャ猫たちは激カワ。もし保護ロシアン猫がうちの子になったら、、、名前はボルシチルにします。通称ボルル。

 

永遠に美しいモスクワが脳内で無限再生されている

2015年9月、モスクワの旅を思い出してはニタニタして上機嫌、恒例のアウトドア行事をやり過ごせばハッピーな誕生月になるはずでした。

 

それなのに!思いもがけない事件が身の回りに起こってメンタル不調になりました。ここでは詳しく書けませんが年間2万人いるらしいです。うち若年層は600人。脳卒中発症者が年間30万人、若年性が1割らしいので、私の身に起こった事件より50倍はレアなことが起こったわけです。

 

気分がドーンと沈み込み気分転換しようにも何をすれば気分が晴れるのかわかりませんでした。とにかく日常をやり繰りするのが精一杯。少しでも気を緩めると涙が頬をつたうオバニャンは鬱ニャー。

 

月〜金は通常業務で気丈に振る舞い、週末はベッドに倒れ込みました。瞑想アプリをインストールしまくってメディテーションジプシーしました。間違いなく鬱やで紀猫オバニャンは。どんどん老け込むニャー。

 

癒しのヒーリングサウンドに身を委ね、現実逃避するために自分がモスクワにいたことを想起しました。場所は赤の広場。目前にワシリイ大聖堂、左手にグム百貨店、右手に歴史博物館、背後にクレムリン。それからレーニン廟。

 

レーニン廟にて。エンバーミングされたレーニンはただ眠っているようにしか見えませんでした。死後の姿が永久保存されるなんて。直感的に自分は現代のミイラにはなりたくないと思いました。たとえ政治的権力や思想信条に無縁でなかったとしても。いわんや生への執着をや。

 

生への執着について考えたのはいつだったか、映画『永遠に美しく』を観たときです。永遠の命を授けられたら?要らんな永遠は。生命には限りがあると知っているからこそ美しく生きられるんやわという結論はやはり変わらず。

 

場所は変わって私の脳内で行き交う人の波、押し寄せては流れる人の脈、今自分がいるのはモスクワ地下鉄の駅構内。やたらめったらに高速なエスカレーターは人々を深く深く地下へ、そしてプラットホームへ、次々とやってくる地下鉄に送り込みます。50秒毎に1本やって来る地下鉄おかしいやろ。運行間隔に安全性が欠如してるやん。ヒトが多すぎるねんて、どっからこんなに湧いてくるんやろう。

 

ヒトの誕生について考えたのはいつだったか、分娩台の上でヒーヒーフーしていたときです。生命の誕生が他人事ではなくなったと同時に、こうやってヒトは湧いてくるんだと知りました。湧いて、群れて、群れては湧いて。

 

さらに思い浮かべるのはロシア連邦道路、国道らしき道を歩くKパンと私。行き先はモスクワ郊外のセルギエフ・パッサードにあるセルギエフ大修道院。最寄り駅の1つ手前の駅で下車してしまったらしく、あれー?方向は合ってるはずやねんけどなー?と歩くこと約30分、ようやく遠く遠くに建物が見えました。あった!!

 

そこからさらに歩くこと約1時間。遥か遠くに小さく見えていた金色タマネギが間近に大きくなって見えてきました。やっと着いたでー!!8月なのに晩秋の風が吹くモスクワ郊外で、ひたすら歩いて目的地に到着した私たち、こんなん旅しとったらよーあることやん?と達人の風を吹かせました。こんなに1駅区間の距離が長いんは初めてやけどな、さすがモスクワ、広すぎるねんて。おかげで靴の裏底がベローンと剥がれたわ。

 

【紀猫デリNORINECOまとめ】

「永遠に美しいモスクワが脳内で無限再生されている」のを上映して公開できたらいいのに。紀猫の両目から光線が出てきてスクリーンに投影される感じで。Kパンと旅したモスクワは私のなかで永遠に美しいです。

 

いざモスクワへ飛行機に乗ることになって

2015年8月、成田空港で合流したKパンとモスクワへ。初めてのJL国際線。旅先はヨーロッパが多いKパンとアジアが多い紀猫、モスクワに到着した時のつぶやきがそれぞれ「ヨーロッパとは少しちゃうわー」と「アジア脱出したわー」でした。ロシアはロシア、ヨーロッパでもアジアでもなくカテゴリーは別モノ、全てがロシアンです。

 

国土が広いロシア、あちらこちらが広々としていて滞在中の5日間、靴裏がベローンと剥がれるほど歩きました。旅先でとにかく歩き回るのはいつものこと、でもこの時は本当に歩き過ぎて「足が」棒になるんじゃなくて、「腰が」棒になってしまい、、、

 

腰が曲がらなくなりました。帰りの飛行機に乗る頃にはもう座席に座っていられませんでした。ベルト着用サインが消えるやいなや痛みに耐えられなくて立ち上がり、そのまま立ってるのも変なので通路を行ったり来たり、そのまま行ったり来たりを続けているのも変なので、どうしようかな、トイレ入口横の壁にもたれかかっていました。

 

ニャー疲れた、眠い眠い。壁に寄りかかって立ったまま寝ていました。揺れる機内の振動でフッと目覚めた時、キャビンアテンダントさんがこちらの様子を伺っているのを感じました。不審者だと思われてる?マークされてる様子。

 

お手洗い、ご使用になられますか?どうぞ、空いております。と、丁寧に促されました。えと、あの、痛くて席に座っていられなくて、腰が痛くて、痛くて腰が曲がらなくて、それで立ってるんです、ここで。

 

痛いことをまず伝えようと慌てて痛くてを連発、こんな説明でも理解してもらえる、よかった日系航空会社で。それでは横になられますか?と聞かれて、こちらの方が理解に苦しみました。横になるって?横になれるんですか?

 

もしかして特別室があるのか?!と淡い期待を抱きました。ファーストクラスとか?ビジネスクラスもシートがベッドのようになるのを経験してますから、すぐに勘を取り戻すことができますけど?(ソウル紀猫一匹旅12)。さぁ、どこにでも案内してください!この腰が曲がらなくて痛みに耐えられない紀猫を横にならせてください!!

 

案内されたのは機内最後尾のギャレでした。ちょっと狭いんですけど、ここでよろしければ、お布団敷きますね、少々お待ちください、と。何処からともなく登場する布団、さすが日系キャリア!いやいや、こんな所で布団に横になるのもなんですが!

 

お薬は、お持ちですか?首を振る紀猫に市販薬の痛み止めでよければ、と白い錠剤が差し出されました。受け取ろうと手を伸ばして身体を傾けた瞬間、激痛が走って顔をしかめてしまいました。すると錠剤を口元まで運んで唇の上にのせたあと、すかさず水の入った紙コップを近づけて飲ませようとしてくれる乗務員さん。いいんですか?こんなことしていただいて?!ドキドキ💗乗務員さん、めっちゃキレイやし、惚れてまうやろ。

 

今まで日系なら青い乗務員さんが好みでしたが、赤い乗務員さんもナース要素が入ってくるとドキドキ💗たまりませんニャー😻よかったら一緒にお布団に入りません?しかし何処から出てきたんや?この布団は(※)??

 

【紀猫デリNORINECOまとめ】

「いざモスクワへ飛行機に乗ることになって」モスクワ最高!しばらくは出来事を回想することにします。腰がエライコッチャになって持ち慣れないスーツケースを運ぶのもキツかった等、腰痛ネタは今回限りにしたいです。

(※)機内にクルーバンクという乗務員仮眠室があって布団が置いてあるらしいです。わざわざ運んで貸してもらえるなんて💗

 

 

 

いざロシア大使館へビザ申請に行くことになって

2015年7月、渡露まで1か月、そろそろビザの申請に行かなければ間に合いません。関西在住のKパンは大阪のロシア領事館へ、関東在住の紀猫は東京のロシア大使館へ行くことになりました。

 

申請に必要な書類一式はKパンが全てネットで情報を集めてくれていて、提出すれば完了でした。宿泊施設の予約も、宿泊先証明レターの取得も全部Kパンが手配済で至れり尽くせり、個人旅行にしてKパン主催旅行でした。

 

ビザは自分で取得するにゃん!ロシア大使館が平日開館で、ビザ申請は午前中のみ。平日午前中ですか?!朝から仕事を休めないよ〜どど、どうすればいいのん?助けてKパ〜ン〜( ≧Д≦)

 

「あんなーそれやったら祝日狙いー。日本の祝日はロシアの平日やねんで。」野比紀猫に告げられたKパン様のご進言はご神言と言うべきなのか、ハイ仰せの通りに、祝日にロシア大使館に行ってきますニャ。

 

かくしてビザ申請=書類提出に向かいました。7月に一度しかない祝日、失敗のないよう開館前に到着してスタンバイモード、Kパン様にもロシア大使館に無事到着していることを報告して、開館と同時に乗り込みました。イザ申請ニャー!

 

ニャニャニャ、この日を狙って来ましたニャー。書類一式揃えてきましたニャー。バッチリニャー?ドヤ顔で書類を差し出すと、無表情でチェックする大使館職員の方、直ぐさまにムヤ顔で書類に貼付けてある紀猫の顔写真を指差して「ダメ🙅」エッ!?ダメ🙅??紀猫じゃダメですか?被写体の問題じゃなくて??えと、アカン理由は何でしょう???

 

「写真小さい🙅」エッ!?小さいってほど小さくないですけど?僅かに写真枠から数ミリほど小さいだけで?ダメなんですか??

 

「ハイ小さいダメ🙅」他には写真持ちあわせてないです。何とかなりませんか?「写真大きくしないとダメ🙅」(わ、枠を小さくしてほしいわ、、、)写真を撮り直しできる所はありますか?「ここにはナイ🙅」書類は無造作に返却されてしまいました。

 

証明写真を撮り直さねば!最寄り駅の改札で証明写真機を見かけた気がするのを思い出して、慌てて駅に引き返すと確かに写真機を発見!!証明写真1枚のために800円は高いわー1000円札は使えないわー証明写真機の中で小銭を探してるうちに汗ダラダラ。

 

人並みより広いオデコに汗で貼りつく前髪が後からマジックで書き足したように見える顔写真は、免許証の顔写真よりはマシとは言い難い写りの悪さでした。ビザ発給のためだけのものと割り切りましょう。

 

大使館に戻ってハサミを借りてジャストサイズに写真を切って貼って無事に提出しました。ニャー。(汗)

 

 【紀猫デリNORINECOまとめ】

「いざロシア大使館へビザ申請に行くことになって」証明写真が『大は小を兼ねる』なんて知りませんでした。人生経験がまた豊かになりました。おおきにロシア大使館。とにかく色々ありがとうございますKパン様。

夕食を朝食にして朝食を夕食に反転する食事法

2015年6月、春の繁忙期が一段落してもなお日々多忙、夜8〜9時までの仕事を終えると帰宅は9時〜10時になるのはどうしたものか。帰ってから夕飯の支度をする気力はなく、かといって毎日お弁当を買っても食欲不振で胃が重たくなるのはどうしたものか。思い悩んでいたところにヒラメキ💡

 

夕食を朝ごはんみたいにしてみよう!

そんでもって朝食を夕ごはんみたいにしてみよう!!

 

ヒラメキは反転授業からヒントを得ました。反転授業とは?はて??検索してまた戻ってきてくださいニャ(ΦωΦ)

 

ニャ、お帰りニャさい。

朝食をディナーにすると、しっかりガッツリ朝ご飯になって、朝から超ハッピー始動になりました。朝からこんなに食べるん?なのが2週間すると当たり前になってました。

 

反転して夕食がブレックファスト(軽食)になるので、朝は目覚めると同時にお腹が空いているのです。さぁ料理するにゃ〜早朝5時に流れる3分間クッキングの音楽♫ソソソッソッミミファ♫そそそっそっみみふぁ♫

 

実際は30〜40分間クッキングの紀猫デリカテッセンで朝からご機嫌&体調良好です。お肉だったらステーキでも、お魚だったらお刺身でも、何でもいけます。ガッツリいけます。ネコ大好き朝ディナー。

 

【紀猫デリNORINECOまとめ】

「夕食を朝食にして朝食を夕食に反転する食事法」は画期的な健康食事法です。1日の総カロリーは同じですニャ!

 

脳梗塞発症から1年間で学んだこと

2015年5月、突然世界が変わった脳梗塞発症から1年を迎えました。相変わらず左耳は聞こえないものの、見た目には元気な人になりました。医師の所見は「発症後1年の経過は良好」でした。

 

遡って1年前、家族に告げられた医師の所見は「命に別状あり」だったことを後になってから知りました。「いつ容態が変わってもおかしくありません。脳幹への影響を回避して命が助かったとしても、小脳へのダメージが大きいと運動領域の回復は不可測です。」

 

小脳へのダメージは半分でした。「半分も壊れたヒト型ネコ」なのか、それとも「半分は無事だったヒト型ネコ」なのか。私はポジティブに後者を選んだことで命が救われたのかもしれません。

 

家族や友人のサポートも絶大でした。過剰な心配はせず、必要な時に必要なだけ気遣ってアドバイスをしてくれたり労ったりしてくれていました。ありがとうございます!病人は病人らしくしていた方が周囲に余計な心配をかけないで済むことがよくわかった1年間でした。

 

【紀猫デリNORINECOまとめ】

何はともあれ健康第一。健康じゃないと何もできないですニャ。